リビング・ルーム・ミュージック / ジョン・ケージ
Living Room Music / John Cage
[使用楽器]
Player 1~4
家財道具
[楽曲説明]
「4分33秒」という曲をご存じでしょうか?曲といっても、音は一切発せられることはなく、4 分 33 秒の間、奏者は構えたままじっとしています。その間、客席からは雑音や段々とざわついてくる音などが聞こえてくるわけですが、これを音楽としてとらえた作品で、ジョン・ケージの代表作の一つです。
リビングルームミュージックもケージの作品であり、「4 分 33 秒」ほど前衛的な作品ではありませんが、やはりとても奇抜な内容となっています。すなわち、リビングにあるような「楽器ではないもの」を使用して音楽が構成されています。曲は以下の 4 つの部分から成ります。
1.To Begin、2.Story、3.Melody、4.End
2.Story においては、ガートルード・スタインの「地球はまあるい(The World Is Round)」(1939) からの以下の文章がリズム要素として用いられ、声を用いたアンサンブルが展開されます
「Once upon a time the world was round and you could go on it around and around.」
また、3. Melody においては、音程楽器がメロディーを担当するため、一見(一聴 ?)これが音楽の主役と錯覚しますが、おそらくこれはフェイクであり、これと一緒に奏される「非楽器」によるアンサンブルこそがこの曲の主役と考えられます。
打楽器アンサンブルには、楽器でないものを用いたパフォーマンスは沢山ありますが、その先駆けともいえる作品です。